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2007年7月26日 (木)

本日ハ研修ナリ。

今日は午後から、澤井さんと
神奈川県博物館協会の「梱包(こんぽう)」の研修に出かけます。

美術館では、展覧会のために作品を貸したり、借りたり…
ということが、よくあります。
「貸したり、借りたりする」ということは、
つまり、「作品が輸送される」ということです。

もちろん、作品の保存のことだけを考えれば
輸送なんてしないで
ずーっと収蔵庫(作品をしまっておく所)にあることが一番いいのでしょうが
展覧会で、できるだけ多くの人に見てもらうことも
美術館の作品にとっては大切なこと。
そこで、美術館では
輸送の際に作品が壊れたり、いたんだりしないように
作品の性質に応じて適切な梱包をするよう、いつも細心の注意を払います。

今日は、そんな大切な「梱包」のスキルアップのための研修。
帰ってきてから、他のJAMスタッフにも還元できるよう、がんばってきます。

(梅田 亜由美)

2007年6月16日 (土)

文字に隠された秘密。

先日「女子美生に大人気」と内藤さんが紹介した今回の展覧会ポスター。
2種類とも、デザイン学科の林規章先生がデザインを手がけています。
獅子や田植踊の絵がらについ目がいってしまうのですが
ちょっと注目していただきたいのが、「祭りの装束」の文字。

Photo

←実はこれ
林先生が書いた文字なのです!

それも、わざわざ
利き手ではない方の手をつかって
まずは万年筆で書き、
その後、アクリル絵具で着彩したという
手の込んだ文字。

素朴であたたかみのある文字は
今回の展覧会のイメージそのもの。
青やピンクの色使いも
祭りのにきわいを思わせ、
私はすごく気に入っています。

ちなみに「ただいちせんべい」も
この文字の色の紙ひもを使ってラッピングしています。(櫻井さんの発案)
気がつきましたか?

JAMでは、これまでにも
林先生にポスターをデザインしてもらっていますが
どれもステキなデザインばかりなので
まとめてお披露目する計画を現在、進行中です。お楽しみに!

(梅田 亜由美)

*昨年、林先生がデザインしたポスターの一部はこちらから、ご覧になれます。

>>KIMONO 小袖にみる華 デザインの世界(2006年4月28日~6月11日)

>>夏色 秋色 -コレクション展-(2006年7月5日~10月16日)

2007年6月 8日 (金)

お祭り。いいですね。

こんにちは。

さて、昨日の梅田さんに引き続き、お祭りのご紹介です。

千葉県安房郡千倉町白間津 ささら踊」

千葉県安房郡千倉町白間津の日枝神社の大祭は、4年に一度、7月に海辺で盛大に展開されます。

この白間津踊りのひとつにささら踊(ささら組)があり、花笠をかぶり、浴衣姿の少女たちが踊ります。

この先頭に中立<なかだち>とよばれる2人の少年が頭に赤く染めた麻の赤熊<しゃぐま>をかぶり、腹に鞨鼓<かっこ>をつけ、一人は背に太陽を象徴する飾りをつけた日天<にってん>に、もう一人は月を象徴する飾りをつけた月天<がってん>になって立ちます。

昭和46年(1971)に重要無形民俗文化財に指定されました。

(本田安次・渡辺伸夫編『祭りと芸能の旅1 北海道・東北』ぎょうせい、1978)

なんと、今年は4年に一度のささら踊が開催される年なんだそうです。

嬉しいですね。

詳しくはこちらをご覧ください。

今回の展覧会では「千葉県安房郡千倉町白間津 ささら踊」を描いた作品を2点展示してあります。

唯一の作品を鑑賞し、それから、お祭りにも行ってみる。

いかがでしょうか?

それではまた来週。

ごきげんよう。

(澤井 智実)

2007年4月20日 (金)

チューブくんです。

こんにちは。

チューブくんはいつも、美術館の入口で、お客様をお出迎えしています。
チューブくんは絵の具のチューブの形をした立体作品です。
真っ赤な細身のボディに銀色のとんがり帽子。

そしてクールな微笑み。
たまに怖がられることもあるけれど、なかなかの人気ものなんです。
チューブくんはみんなと手をつなぐのが大好き。
一緒に写真も撮れるんです。
チューブくんに会いに来てくださいね。

Sawai_001

Sawai_002

作品名:絵具チューブと人

作家:山内隆(本学絵画学科洋画専攻准教授)

http://www.geocities.jp/yamauchiweb/

山内先生のHPです。ぜひご覧ください。

そして、先生の個展が6月に開催される予定です。

詳細はあらためてお伝えしますので、お楽しみに。

天候が不順です。皆様体調を崩さないようにお気をつけください。

ではまた来週。

(澤井 智実)

2006年5月28日 (日)

腰巻とは・・・?

1_1 2_1 3_1 今回もお客様から、多くのご質問をいただく「腰巻」について書いてみたいと思います。

今回「雅の華」ゾーンに展示されている「黒地宝尽模様腰巻」はキャプションに「腰巻」と書かれているの「他の小袖とはどこが違うのか。どうやって着るのか。」というご質問を多くいただきます。

ちなみに江戸中期(元禄)以降、現代に至るまで、小袖の形にほとんど変化がないので、着装も基本的にはほとんど変わりません。

腰巻とは写真のように付帯(つけおび)と呼ばれる帯を巻き、上半身は左右に棒状に伸びた部分に袖を通した着装のことです。

夏期、武家の奥方や姫たちは改まった場合に、帷子に付帯(提帯ともいいます)、そして腰巻(夏期に用いる表着的な小袖)をつけた姿であったそうです。

参考文献「日本の美術12 No.67小袖 神谷栄子編」至文堂 昭和46年

(学芸員:鈴木 真)

2006年5月18日 (木)

来館者の質問から

お客様の質問の中で結構よく聞かれることは

小袖は汚れたらどうやって洗うのですか?」

という、質問です。

結論から申しますと、「洗いません」。

さまざまなケースがあると思いますが、

「(身分が高くお付の人がいる場合)お付の人にあげてしまう」

「古着屋に売ってしまう(当時も現在のように古着屋があったのですね)」

というのが一般的だったようです。

また、汚れやすい襟元は「半襟(*)」といった交換可能な生地をつけて、その部分を洗って清潔に保っていたようです。

(*)半襟

襟元の汚れ防止の小さな長布。

この部分も意匠を凝らす等、おしゃれの一部として扱われています。

(学芸員:鈴木 真)

2006年5月12日 (金)

コウケチ・・・?

Koukechi_1 本日はお客様からいただいた質問について書いてみます。

お客様からの質問は「この小袖に書かれている文字はなんと読むの?」でした。

ちょうど図録に説明が出ていますので、これを紹介します。

展示NO.9 緑地楓樹に文字模様小袖」(江戸時代中期)

Koukechi2_1 「纐纈(こうけち)」とは、絞染の古名。裂地の一部を括ったり、縫い締めたりすることよって防染し、模様を染め出すことをさします。

(学芸員:鈴木 真)

右裾から大きく屈曲した楓樹の左右に伸びる枝に文字を配した立木模様の小袖。

制作当時は振袖だったと思われ、現状よりさらに幹に動きが感じられたことであろう。

楓樹は糊置きにより白上がりとし、葉は金糸・紅糸・萌葱糸の刺繍、また一部の葉には朱色の線描きによる葉脈が表されており、それぞれの表現技法がバランスよく配置されている。さらに、紅糸や金糸の刺繍による「黄」「纐」「纈」「林」「有」「寒」「葉」などの文字が華やかさをそえる。

なお、この文字は「黄纐纈林寒有葉 碧瑠璃水浄無風」(黄纐纈の林は寒うして葉あり 碧瑠璃の水は浄うして風なし)(『和漢朗詠集』巻上 紅葉 白楽天)を意味している。この詩句を知る人は、鮮やかな黄色の絞りの布のように紅葉した林や、モチーフとしては表現されていない紺碧に澄みとおる波もない湖をイメージするであろう。

小袖全体に主題となる模様を配し、さらに文字を散らす文芸的内容を示すデザインは、江戸時代中期以降の作品に多く見られ、この小袖はそのなかでも代表的なものの一つである。(展覧会図録「KIMONO 小袖に見る華デザインの世界」より抜粋)

2006年5月 9日 (火)

夜の小袖

Yorukosode女子美アートミュージアムは17:00閉館。
お客様が退館した後、小袖達も一仕事終えてお休みになります。

前述の通り、長時間の照明はストレスを与えてしまうので手早く消灯。

その前に。

微細な埃から小袖を守るため、薄葉紙で肩掛け(裾の長い物は膝掛けも)を一領一領にそっと掛けていきます。
実はこの肩掛けは落下しないように薄葉紙同士を縫い合わせてある特別製。
スタッフが丁寧にちくちく縫い合わせたものです。

開館時は逆に、掛かっている肩掛けをそっとはずします。
この作業で大体30分はかかりますが、急ぐのは禁物。
細心の注意を払っておこなっています。

そして、全ての小袖に肩掛けを掛けた後は、厳重に施錠をし消灯…
一日の仕事の終わりです。

今日は休館日なので、小袖達は休息。
暗い展示室の中で肩掛けをしたままお休みしています。
また明日から、たくさんのお客様見てもらうために…

(学芸員:鈴木 真)

2006年5月 6日 (土)

ロビー展示四方山話

Scan_1女子美アートミュージアムでは展示室内の現物の小袖に加えて、ロビーでの高精細スキャンによる画像データを出力し、展示しています。

これにより、作品安全上、照度を落とした展示や観覧者との一定の距離を取り払ったダイナミックな展示を実現しています。

約3倍に拡大した意匠を、EPSON「MC/PMクロスロール」という繊維素材に出力することにより、細かな技法や劣化箇所の確認ができるとともに、まるでオリジナルの反物のような質感が楽しめます。Bana_1

特に夕日に照らされる姿や、日没後にスポットで照らし出される姿はとても綺麗です。

しかしこの展示は、ここまで至るまで大変な道のりでした・・・。

続きを読む "ロビー展示四方山話" »

◎おいしい珈琲あります◎

Lop1030745_2

Cafe

 女子美アートミュージアムロビー奥には喫茶コーナーがあります。

お金を入れてお茶お選び、レバーを引いてパックをセット。コップを置いてお湯のスイッチを押す、ちょっとレトロな手動の販売機です。でも、味と香りの方はれっきとした本格派。

その場でドリップして飲めるドリンクは8種類。ホットドリンクのみですが、全て120円です。

ドリップサーバーの隣には自由に閲覧できる様々な展覧会図録もありますので、展覧会を見た後は静かなロビーで一息いかがでしょうか。

有機栽培珈琲<レギュラーコーヒー>
ライトロースト<レギュラーコーヒー>
ベーシックロースト<レギュラーコーヒー>
イタリアンロースト<レギュラーコーヒー>
フレンチロースト<レギュラーコーヒー>
ダージリンブレンドティー
ローズヒップティー
カモミールティー

もちろん砂糖とミルクもございます。

(学芸員:鈴木 真)

2006年5月 4日 (木)

照明について

Syomei_2展覧会も開催からもうすぐ一週間が経とうとしています。入館者様もたくさんいらしていただき、ありがとうございます。

ところで、美術館には「アンケート」を設置しているのですが、皆様の貴重な感想を拝読し、会期中に少しずつ反映していきたいと思っております。

今日はそのアンケートの項目の中から一つピックアップしてみましょう。

<展示の方法>

見やすさを「大変見やすい」から「大変見にくい」までの4段階の評価で選んでいただき、理由を書いてもらう形。ここでよく見かけるのが、「館内が暗い」というご意見です。

ロビーは着物を高精細スキャンしたデータをクロス紙に出力したものが幕のように展示してあり、壁面のガラス窓からの自然光をふんだんに取り入れた、明るい展示空間になっています。

一方、現物を展示している展示室は、着物へのダメージを抑えるため、エキジビションに最低限必要な光量まで落としています。通常、衣類等繊維を扱う場合50〜70ルクスを目安に設定するといわれています。一般家庭の照度が75〜150ルクス程度ですので、結構暗く感じます。照明によるダメージとは、この照度と照射時間から計算されます。(ちなみに繊維へのダメージ計算はルクス×時間で、年間の光量の目安は15,000ルクスといわれています)

それでも今回展示している作品は、定期的に公開されるものではなく、過去何年も収蔵庫内の安定環境下で保管されていたことと、次の公開も未定といわれているため、80〜90ルクスまで照度を引き上げて、見やすさと展示品の安全のバランスを考慮して展示しています。「ちょっと暗くて見にくいな」と思われるかもしれませんが、後世の鑑賞者にも小袖のデザインと色彩を楽しんでいただくため、ご了承ください。

(学芸員:鈴木 真)

2006年5月 2日 (火)

小袖って?

小袖とは、現代の「着物」のもとになった衣装ですが、
もともとは平安時代の下着だったといわれています。

Th_p1030662

Th_p1030430Th_p1030433平安貴族の服装はいわゆる十二単に代表されるようにいくつかの衣装を重ねる襲装束(かさねしょうぞく)でしたが、袖口が大きく開いた大袖(おおそで)だったため袖口の詰まった小袖(こそで)が下着として用いられたのだそうです。

つまり小袖とは、袖が小さいのではなく袖口の開きが小さいことを意味しているんですね。

今回の展示では、袖の短いいわゆる「小袖」のほかに「振袖」も展示しているので「小袖の展覧会なのに、どうして振袖を展示しているの?」という質問を時々受けます。でも、袖は長くても袖口が小さいので、実は振袖も小袖なんですよ~。

(学芸員:梅田 亜由美)